こんにちは! Dr ニーアです。
コロナショックが人間の生命を脅かす問題として連日取り上げられていますが、中・長期的には経済を直撃する事態となることにも目を向けねばなりません。
前の記事で勤務医は、仕事は失っていなくとも労働力のみならず、経済的に打撃を受ける結果になるというお話をしましたが、医者の資産と健康が脅かされる中、長期的には年金2000万円問題にも取り組まなければなりません。
年金2000万円問題とは?
発端は、2019年6月3日に金融庁の金融審査会が出した報告です。
夫婦で夫 65歳以上、妻 60歳を目安に仕事から退職した際、老後を30年間として必要な生活費を算出した場合、年金で暮らしていくにはどれくらいの生活が賄えるのかというものを試算したのです。
政府は都合が悪かったのでしょうか、受け取らなかったので、公式には無かったことになっていますが、日本人は一般的に2000万円という言葉には強く引き付けられた人が多いと思います。それでも、その内訳あまり理解していない部分もあるのではないでしょうか。
2000万円問題の具体的内容
まず、退職後に得られる平均的な年金は夫婦で月額21万円と推算されています。一方で、今の生活水準において最低限必要な平均支出額は夫婦で26万4000円となります。
しかし、最低限必要な水準すら赤字になっているのです。ここから30年間の生活にいくら必要かを計算すると、1月に54000円の赤字で、それが12ヶ月×30年間でおよそ2000万円となり、これが2000万円の根拠となっています。
単純にこれを解決するためには毎月54000円の貯蓄を30年間継続する必要があるということになります。
しかし、問題は2000万円では足りないという部分にあり、そこにはあまり注目されていないように思います。
2000万円では足りない理由
これは今後考えられる年金の減額と支出の増加が理由となります。
①年金減額
年金の抱える問題については別にお話したいと思いますが、まず間違いなく、今後の年金は額が減らされる、もしくは、支給年齢が高くなります。つまり、貰えない空白の期間が生じたり、そもそも1月に21万円も貰えないという未来が迫っているのです。
②支出の増加
・税金の負担額増加
消費税が段階的に10%に引き上げられたように、今後の財政状況によってはもっと上昇する可能性があります。
・インフレーション
貯金しておけば、お金は減ることはありませんが、インフレーションにより同じものでも、物価が上がれば、相対的にお金の価値が下がります。昔は100円で変えたジュースが現在130円という例が一番わかりやすいと思います。
・生活水準が高い(勤務医)
上記で26万4000円と試算されていますが、生活水準をある程度維持するには、通常は30万円以上が必要となります。そうなると、10万円/月以上の年金以外の貯蓄を要するという事になります。一度上昇した生活水準を下げることは本当に困難です。
どうやって2000万円問題を解決するか?
①毎月54000円をコツコツ積み立てる。
(1)専業主婦、もしくは専業主夫で収入が片方からのみの場合
気の長い話ですが、収入の内、毎月54000円を積み立てます。
しかし、他に住宅ローンや車、保険料などもある方は負担が増加してしまうのを実感するでしょう。また、インフレーションには対応できないため、いずれ、毎月の貯蓄額は増やさなければなりません。利点は何も考えずに、固定の額を貯蓄すれば良いということになります。
(2)夫婦で正社員として共働きをして貯蓄する
単純計算で一人27000円となりますので、54000円よりは貯蓄しやすいのではないでしょうか?一人の負担は減るのですが、一方で、足並みをそろえる必要があります。夫婦での話し合いは大事です。
②副業をする
収入を本業のみならず、副収入を得る方法を ということになります。
本業は収入に限界があることが殆どで、本業で働けなくなる場合、収入がいきなり0になるリスクを避けられます。また、本業を継続できる場合、副収入がそのまま貯蓄に回せるので、生活は楽になります。リスクは余分な時間や資金を確保する事が困難な場合、副業をそもそも行えないという問題があります。
③資産運用をする
本業で頑張るしかない場合、貯金をそのまま銀行に預けていても、ほぼ増えません。よって、資産運用を行う必要があります。一つの方法が投資です。具体的な方法は別記事に記したいと思いますが、これからの時代、資産運用の知識は誰でも、例え、医者でも避けて通れないことは理解しておく必要があります。
副業も投資もリスクが全く無いというわけでは無いので、本業を継続しながら資産運用や副業に対する知識や能力を上げていく事が2000万円問題に対応する方法となります。
そして、これは勤務医にも避けては通れないのです。