こんにちは!Dr ニーアです。
今日は『医者と資産』についてです。
ご存知の人も多いと思いますが、医者になって数年で年収が1000万円を超えます。
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医者の年収裏事情教えます!~医者は本当に高給取り?~
その後も医者として勤務していれば年収は高い状態で維持できます
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医者のお給料ってどれくらい?~実際のお給料を公開します!~
年収1000万円は幸福度が高いのか?
一般のサラリーマンの60%以上が年収1000万円以上を目標としているという調査結果もあるようですが、本当に1000万円あれば幸せで豊かな生活が送れるのでしょうか?
実は、人間とは不思議なもので、仮に年収1000万円となっても、すぐにその状態に慣れてしまいます。
例えば、こんな経験は無いでしょうか?月5万円の家賃の部屋から月10万円の家賃の部屋に引っ越したとします。
最初は生活水準の上がった環境に高揚する気持ちがあります。しかし、徐々に高い生活水準に慣れ、それが当たり前になります。そして、次回以降の引っ越しでは水準を下げた住居に住むことが出来なくなります。
これは要するに、年収が一度上がってしまうと、一時的には幸福を感じますが、程なく『慣れて』しまい、幸せと感じにくくなります。更に、年収が下がることには強い苦痛を感じるという事を意味しています。
年収1000万円は資産が増えていくのか?
一般的に、年収1000万円あれば貯金は多くできるため、資産がどんどん増えると考えてしまいがちですが、現実はそれほど甘くないのです。
医者は年収の上昇に伴い、生活水準を上げてしまう人が多いので、生活費が高くなる傾向があります。また、自身のスキルアップにお金がかかります。学会年会費や参加費、医学書代、セミナー代、専門医申請料や維持料など通常かなり高額になります。
収入は多いが、支出も多い
これが医者の現実で、それ程資産が増えない人が多いのです。
勤務医としての給料が上がれば良いのか?
年収1000万円でも資産が増えないのならばもっと一生懸命に働いてお金を稼げばよいのでは?と考える人は特に勤務医に多いのですが、残念ながらそれ程うまくはいきません。
そこには、労働収入の限界があります。
労働収入の限界
こちら医者の働き方改革 ~医者の未来の働き方~でも書きましたが、今までは基本給に加わる『時間外労働』で年収を増やしていたという現状があります。しかし、『時間外労働』は今後、上限が定められ、それを超えると勤務先の病院に罰則があります。年収の上限が決まってしまったばかりか、場合によっては、長時間勤務をしているにも関わらず、申請できないという事態も現実のものになるかもしれません。
年収に対する勤務医の考え方
勤務医は雇われサラリーマンですので、年収は出来るだけ高い状態が望ましいと考えられるのですが、一般的には下の様な考えの人が多いのではないでしょうか?
『生活の大部分を犠牲にして一生懸命に勤務先の病院で働く。大変な仕事であるが、世間の平均よりも高い年収をもらっているため、満足している』
実は、この考えが強く根差しており、年収を増やす方法を考えていない人が多いのです。
一昔前までは、医者が年収を上げるためには、ほぼ2択しかありませんでした。
①勤めている病院で地位を上げて収入を増やす。
②開業する
しかし、近年、医者の働き方が非常に大きく変わってきています。医者以外に自身のキャリアを求める人や、勤務医を続けながら副業を行う人など、自身の医者として給料以外から収入を得る選択ができるようになっています。少しの工夫をするだけで誰にでも年収を増やすチャンスがあります。
では、なぜそのような選択肢を取らないのでしょうか?
それにはいくつかの理由があります。
年収を上げる努力をしない(できない)理由
忙しすぎて考える暇がない
医者、特に勤務医の働き方は日中の仕事が基本になります。平日は早朝から夜遅くまで一生懸命働き、その間に当直を挟んで連続36時間勤務ということもあります。また、休日でも患者の事を考え、病院に行きます。私も1年を通して完全な休日は殆ど無いという経験はありました。
医者というギリギリの生活をする中に、他のことを考える余裕は殆どありません。周りも医者として連日頑張っている人ばかりで、お金を増やすという話が出来ることは少ないのです。その結果、年収を増やすことに考えが至らない人が本当に多いです。
年収を上げるという事に考えが及ばない
通常、仕事をするにあたって、より高い年収を求めることは普通の事です。
しかし、医者は自己研鑽や、医者として働くこと自体が目的になっている人が多いのです。これはまさに数年前の私の姿です。
昔から医者になりたくて一生懸命勉強してきた人ほど、そして医者になれた後も、一生懸命に働いて患者が良くなったり、感謝されることに喜びを感じる。その結果、他の職業よりも平均的に年収は高いという現状に満足してそれ以上を求めない人も数多くいます。
お金の話をすることを後ろめたく感じる
日本人はお金の事を考えることは変だという文化が根底にあるように感じます。特に医者がお金の話をしていることに対しては強い違和感を覚える人も多いのではないでしょうか。
一般的に、お金の事を考えずに24時間医療の事を考えている人間が医者として正しい在り方として考えられており、医者の間でもそのような考えの人が多いのです。
年収を増やす方法がわからない
上でも書いたように、これまで、年収を上げるには『勤めている病院で役職を上げて収入を増やす』もしくは『開業する』しかなかったわけです。そして、自分で開業しない場合、勤めている病院で一生懸命に働き年収を上げる努力をするしかなかったのです。
年収を増やしたいと思っても、これまで数十年勤務医として働いてきた上司は、それを部下に教えることができません。当然のように朝から晩まで一生懸命働けば良いのだ!としか言えません。頭の中では今ある給料をいかに維持し、いかに生活を豊かにできるかという限られた視点しか持てないのです。
酷い場合、年収を増やすなどの余計な事を考えさせないような状況にしています。自分の下で一生懸命働いてもらえないと自分の仕事が増えたり、そこで生じる問題解決にあたらなければなりません。意識的にせよ、無意識にせよ、部下に余計なことを考えずに働いてほしいと考えている人は一定数いるのが現状です。
年収を上げる具体的な方法
現在の勤務医の問題点はまとめると以下の2点になります。
①勤務医として年収は高いが、その分、労働時間も長い
②勤務医として働く以外で収入を上げる方法を知らない
①を解決する方法は以下の通りです。
勤務医として年収は高いが、実労働時間も長い
→勤務医としての年収を維持して労働時間を削減する。
→転職をする
転職
ここでいう転職とは、医者を辞めるという意味ではありません。『医者として無理なく働ける病院に就職先を変える』ということです。転職なんて自分には関係ないと思っている人が多いかもしれません。しかし、転職は常に考慮しておかねばなりません。その理由についてはこちらの記事医者を辞めたい時は転職を考える! で書いておりますので、是非ご参照ください。
また、②を解決する方法は以下の通りです。
勤務医として働く以外の収入を得る方法を知らない
→勤務医以外の収入源を確保する
→副業する(もしくは起業する)
副業(起業)
医者の世界では現在、副業をする勤務医が増えてきています。また、特に優秀な人が医者の生活に拘らず、医者を辞めて起業するケースも散見されます。
上でも書きましたが、勤務医として年収を増やすことに限界があることや、副業の魅力が増えてきていること、起業により資産が増えることを見越しているなど、純粋に与えられた環境で勤務医としてのみ働く事は以前程の魅力が無くなってきていると感じられる出来事です。私も現在、副業をしていますが、そのお話もいずれお伝えしたいと思います。
総括すると、勤務医として1つの病院に勤めることは今後条件が厳しくなっていくかもしれません。『勤務医』だけのカード1枚で勝負するのは無理がある時代となってきています。そこに『転職』と『副業(企業)』のカードを持つことでリスクを下げることが可能です。
そのような視点を持ち、ご自身の生活を考えていただければと思います。