こんにちは!Dr ニーアです。
本日は医者の転職についてお話します。

特に転職を考えている人は是非ご一読ください。

以前の記事医者になりたい人や医者に伝えたい!誰も教えてくれない本当の事!
で私が情報発信をしている理由をお伝えしました。

とんでもなく過酷な医療現場の中で『医者となった友人』が心の問題で医者を続けられなくなったため、正しく実情を認識してほしいとの思いからです。今回は、より具体的なお話をします。

医者に生じる心の問題

私が大学時代に親しくしていた友人は、非常に厳しい職場環境かつ、生活を犠牲にして仕事をしなければならない科を希望してとある大学病院に入局しました。

彼は学生時代からその科に進み、一生懸命に働くことを夢見ていました。

学生時代の休日や勉強以外のリフレッシュできる時間の多くを学習に当て、少しでも良い医者になれるように学生時代から多大な努力をしていたのです。

しかし、そんな彼を待っていたのは想像以上の仕事環境でした。

医者となった人はご存知だと思いますが、大学病院では特に若い医者は小間使いのように働かされます。

市中病院においては本来は医者が行う必要のない雑用でさえ、大学病院では医者がこなさなければならず、同時に自分の本業も行わなければなりません。

自分のために使える時間は殆どありませんでした。

そんな中で自分の技術を磨く努力をしていましたが、彼の所属していた科の教授は非常に厳しく、また、昔ながらの外科気質の人間でした。

積極的に指導するわけでもなく、

『1回見たら覚えろ!』
『なぜ出来ない!』
『仕事が遅い!』
『残りの仕事はやっておけ!』

などのプレッシャーをかけられ続けていました。

また、教授以外の上司もそれぞれ自分の勤務に余裕が無かったこともあり、自分が担当ではない患者の管理なども全て私の友人がしなければならない状態でした。

朝も晩も関係なく、ひたすら患者についての相談や対応に追われ続ける生活を数年間続けた結果。。。

ある日を境に病院で彼の姿を見ることはなくなりました。

うつ病を発症して病院に来られなくなってしまったのです。

入院加療が必要な程重症で、現在でも医者としての再起はできていません。

なぜ、学生時代から人一倍患者さんのことを思って努力してきた彼がそんな目に合わなければならなかったのでしょうか。

実はここに医者の世界の難しさがあります。

医療界の問題

医者の世界はしがらみが強く、一度入局するとそこを止めて他の職場に行くことは困難を極めます。所属している中だけでなく、酷いときには裏切り者として悪い評判を周りに流されてしまうこともあります。

また、彼が選んだ外科系の『とある』科も昔から非常に強い徒弟性が根付いており、上司の気分を損ねると症例を積み重ねられず、スキルも能力も上がらないまま医者としての年数を重ねてしまい、全く使い物にならない医者として陰口をたたかれる可能性もありました。

つまり、押すも引くも地獄という環境に陥ってしまったのです。

ここまで、ある一人の友人について記しましたが、別の記事でも書いた通り、実際、私の周りでこのような状況に陥った人は5人以上もいます。

どうにもならない状況下で向かう先には身体か心が壊れるという未来が待っていることになります。

30年近くの時間を費やし、お金をかけ、努力を積み重ねた果てに色々なものを失ってしまう。

これは個人にとっても、社会にとっても大きな損失です。

私は幸い、市中病院で自身のキャリアを積むことができ、また、成長の過程で専門医資格を取得し、それを活かして自分の地位を確立できています。

私と彼らは何が違ったのでしょうか?

新しいキャリアへの道(転職)

もちろん、入局先や科の選択もありますが、それ以上に、私は逃げ道を作っているというところにあります。

それが転職という道です。

転職という方法を知っている、もしくはその選択肢を確保しておくだけで、何かが壊れる前に、環境を変える事が可能となります。

ここでいう転職とは、医者を辞めることではなく、

『医者として無理なく働ける病院に再就職する』

ということです。

転職の具体的な方法については別記事で詳細にお話します。

自分の大切なものを守れるのは自分だけです。

是非、そのことを肝に銘じて頂きたいと思います。