こんにちは! Dr ニーアです。

今回の記事では心臓血管麻酔専門医試験の必勝勉強法及び私の合格体験記をお伝えします。

目次
はじめに
勉強開始時期
試験勉強の方法
・出題範囲
・推奨教科書
・ガイドライン
・専門医コースレクチャー
実際の勉強の流れ
私が使用した参考書
受験本番時のテクニック
過去問を復元してわかった出題傾向

はじめに

心臓血管麻酔専門医試験について、出題範囲は示されるものの、勉強方法もわからない人が多いと思います。

毎年の合格率を見て頂ければわかりますが、合格率は80%後半を推移しています。
よって、受験すれば合格するのは簡単なように感じますが、受験者の方は試験が終わった後、一時的に『落ちたかも。。。』と思うようです。

今回の記事では私の受験体験を基に、合格までどのように勉強していけば効率的であるかをお話ししたいと思います。

勉強開始時期

試験勉強を始めるタイミングは個々の臨床の忙しさによってまちまちです。

インターネットでは、1か月未満の勉強時間で合格したという人もいますが、個人で大きく変わりますので、自分なりに計画を建てると良いと思います。

私個人としては3か月くらいはあった方が良い印象です。最初にお話しますが、書類申請もかなり面倒な仕事になりますので、早めに受験の申請書類を用意しておくことをお勧めします。

試験勉強の方法

出題範囲

勉強開始時期を決めた後、出題範囲を確認します。詳細は心臓血管麻酔学会のホームページを参照していただくと、その年の出題範囲の基となる教科書とガイドラインが提示されています。

教科書

①Kaplan’s Cardiac Anesthesia 第7 版
②Anesthesia for Congenital Heart Disease 3 版

の2冊が殆ど毎年推奨されています。
ただし、英語が得意で無い場合、読むのに非常に時間がかかります。

個人的には内容的には重要ですので臨床のために通読することを勧めますが、専門医試験合格のために必須とは考えておりません。私も受験前には通読はできませんでした。

ガイドライン

受験する年ごとに出題範囲ガイドラインが少しずつ変わってきています。
ガイドラインは膨大な数で、とても全て読む気にはなれないと思いますが、ここで重要な事は

試験問題は全てのガイドラインから網羅的に出題される

という事です。

読んでいないと解けない問題もいくつか出ますので、そういったガイドラインは目を通す必要があります。

専門医コースレクチャー

2011年から心臓血管麻酔学会の学術集会最終日に半日かけて専門医コースレクチャーが行われていますが、試験合格のためには重要な位置を占めます。

2013 年から講義の演者も出題をするようになっていますので、特に受験される方は、

受験する年の専門医コースレクチャーを受講しておく

ことをお勧めします。ここは試験問題として出すかも、というニュアンスでお話していただける先生もいらっしゃいます。また、もう一つ重要なこととして、

受験する年の前年分や前々年分の内容からも出題される

ため、1年後に受験、とか、2年後に受験など時期がわかっている人はそれを見越して数年前より受講しておくことも良いかもしれません。

実際の勉強の流れ

私の考える最短の勉強方法について、順を追って下にお示しします。
なお、私は実際にこの順番に勉強したわけではなく、効率が悪かったため、合格した今、振り返って最も効率が良いと考える方法をお示しします。

①過去問

私の記事の中でも過去問をできるだけ復元していますが、問題文が長く、選択肢を全て復元することは困難で、何を問うているのか(正しいものを選べ、間違っているものを選べ、1つ選べ、2つ選べ)なども正確には復元できていません。

答えも公開されていないので、問題や答えを確かめることも難しいのですが、数年分を見返してみるとある一定の出題傾向はみてとれます。そこを中心に勉強を始めましょう。

尚、過去問の記事は適宜更新していきます。

②専門医コースレクチャー

上にもお示ししましたが、受験する年から遡って3年くらいは専門医コースレクチャーの資料を入手しておくことをおススメします。

コースレクチャーのスライドなどは心臓血管麻酔学会学術集会のテキスト集に掲載されています。受講した先生にテキスト集を借りるなど、目を通すことがおススメです。

③ガイドライン

殆どの推奨ガイドラインはインターネットでテキスト全文を無料ダウンロードできます。
私も一応全てダウンロードしましたが、全てを最初から最後まで読むのは断念しました。

しかし、実はいくつかのガイドラインにはダイジェスト版という、簡略化されたものもあります。これらもインターネットでダウンロードすることが可能です。

100ページのガイドラインが約30ページくらいにまとまっておりますが、内容は重要な部分が集められており、ダイジェスト版を網羅するだけでもかなりの問題数を解くことが可能です。

ただし、結構細かいところまで確認してくるので、ダイジェスト版のみで完璧とも言えないかもしれません(が、門医試験合格は可能です)。

④参考書(指定教科書以外)

余裕があれば各参考書を読みましょう。いくつかおススメがあります。

・『心臓手術の麻酔 第4版』

・『心臓麻酔ポケットマニュアル改訂版〜心血管作動薬、人工心肺の知識から心臓手術の麻酔・管理のポイント』

・『臨床小児麻酔ハンドブック 改訂第3版 』

・『先天性心疾患の血行動態 治療へのアプローチ』

・『麻酔科医・集中治療医に必要な血液凝固、抗凝固、線溶系が分かる本』

・その他、LiSAの心臓血管麻酔に関連した号(特にTAVIなどのカテーテル治療はわかりやすいです)

などを勉強しましょう。

受験本番時のテクニック

試験の概要

全部で80問、CBT形式となります。制限時間は2時間です。動画問題はありませんでした。TEEはJB-POTで問われているため、心臓血管麻酔専門医試験ではほぼありませんでした。

出題傾向

出題範囲としては指定ガイドラインと学会テキストから万遍なく出題されていました。臨床的に考えて解ける問題もありますが、ガイドラインのフローチャートを基に正しい治療を選ぶ問題などはガイドラインの表を暗記していなければ解けない問題も多いです。普段の臨床からそこを意識して麻酔が出来ていれば勉強も楽になるかもしれません。

受験時のポイント

とにかく時間がギリギリです。全て終わった段階で残り時間は殆どありませんので、しっかり見直す時間は無いと思った方が良いです。一緒に受けた先生は最後まで終わらなかったと言っておられました。

試験時間は短く感じる

と考えて望んで下さい。

 

参考になれば幸いです。