心臓血管麻酔専門医試験 2016

 

●心臓の刺激伝導系と解剖
a. 右冠尖、無冠尖の間をHis束が通る
b. His束は心尖部で左右に分かれる
c. 左の線維三角は無冠尖、左冠尖に接している
d. 刺激伝導系は三尖弁後尖のすぐ上を通る

 

●心臓の血流支配
a. 洞結節は右冠動脈もしくは左回旋枝で栄養される
b. 房室結節は左前下行枝で栄養される
c. 左右冠動脈とも拡張期優位に流れる
d. 冠静脈洞のSpO2は60%である

 

●解剖
a. 無名静脈は左右2本ある
b. 腕頭静脈は無名静脈ともいう
c. 無名静脈は大動脈弓の背側を通る
d. 左側の外頚静脈は内頚静脈と合流後鎖骨下静脈に流入する

 

●解剖
a. 大動脈弁は第5胸椎の高さである
b. 左反回神経のみが大動脈弓を囲うように走行する
c. 横隔膜レベルでは食道は下行大動脈の前方に位置する

 

●QT延長を来しやすいのはどれか?
a. エスモロール
b. ニフェカラント
c. ベラパミル

 

●肺血管拡張作用を持つ薬剤を2つ選べ
a. ドパミン
b. ドブタミン
c. ミルリノン
d. ノルアドレナリン
e. バゾプレシン

●ヘパリンの分子量と半減期の相関 (対応問題)
a. 低分子ヘパリン- 12時間
b. 未分画ヘパリン- 2時間   など

 

●TAVI。BAV後に安定していたが、徐々に循環動態不安定に。何が疑われる?
a. 弁輪破裂
b. ペーシングワイヤーによる心室穿孔
c. 穿刺部からの出血
d. AR増悪
e. 空気塞栓

 

●CPB離脱後プロタミン投与。投与後RBC2単位、FFP6単位投与。離脱後1時間10分経過し閉胸し始めたら血圧低下、酸素化悪化、気管内チューブから泡沫状痰多量。TEEでは弁膜症なし、心収縮問題なし。
①正しいものを2つ。
a. プロタミンショックである
b. TACO
c. TRALI
d. PEEPは無効である
e. PCPS導入
②治療はどうする?
【選択肢不明ですが、陽圧換気とかが入ってくると思われます】

 

●脊髄の栄養血管について
a. 外腸骨動脈からも栄養される
b. AKAはTh9~L2から灌流される
c. 前根動脈は脊髄前面、後根動脈は脊髄後面を栄養する
d. 脊髄灌流にはcollateral networkの関与がある

 

●HIT
①対応は?
a. アルガトロバンを使用する
② 100日程度経過しHIT抗体は陰性化した。開心術が必要になった。人工心肺中の抗凝固は何で行うか
a. アルガトロバン
b. 低分子ヘパリン
c. 未分画ヘパリン

 

●LVAD装着術後閉胸後に循環動態不安定となり、TEEで確認するとRV前面に血腫を認め、RVOTSを生じている。対応は?
a. LVAD流量を上げる
b. PDE-Ⅲ inhibitor投与
c. 外科医に再開胸を依頼
d.
e.

 

●EVARで正しいものを2つ
a. タイプⅠエンドリークはグラフトと大動脈の接合部からのリークである
b. タイプⅡエンドリークは瘤内への大動脈分枝からの逆行性血流による
c. タイプⅢエンドリークとはグラフトからの染みだしによる
d. タイプⅣエンドリークはグラフト-グラフトの接合部からのリークである
e. タイプⅤエンドリークは・・・

 

●心臓手術室の医療安全
a. 主な原因となるのはコミニュケーション不足である
b. チーム内の上下関係ははっきりした方がよい
c. 手術室の広さや設備は関係ない
d. 心臓手術ではチェックリストもしくはブリーフィング、あるいはどちらも行うべきである

 

●ACC/AHAガイドライン2014より
a. β遮断薬は術前に内服していたものは術直前も内服継続する
b. スタチンは術前に内服していたものは術直前も内服継続する
c. 冠疾患に対してニトログリセリンの予防的投与は効果がある
d. α2阻害薬は継続する?

 

●追加でCAG検査が必要なのは?
a. 不安定狭心症
b. PCI後であるが、運動しても問題がなく、元気な人
c. 非侵襲的検査で不安定狭心症の可能性が高い人
d. 非侵襲的検査で何も問題がない人
e. CABG後?

 

●Norwood術後立ち上がらない。SVCにカテと手にAline。Qp/Qsを計算するとき術野で1カ所サンプリングを依頼するとしたら場所はどこ。
a. 肺動脈
b. 肺静脈
c. 下大静脈

 

●Glenn術前肺動脈圧18mmHg、肺静脈圧6mmHg、Qp/Qs1.2から術後心房圧9mmHg、Qp/Qs0.6。術後の推定肺動脈圧は?
a. 5mmHg
b. 10mmHg
c. 15mmHg
d. 20mmHg
e. 25mmHg

 

●周術期低酸素血症の回避で有効なのは?
a. BTSで血圧を上昇させる
b. TOFで後負荷を下げる
c. Norwood手術において100%で換気する
d. TAPVRの手術でNOを使用する
e. Glennで過換気にする

 

●肺葉切除後に肺静脈の長さと関連して肺静脈内血栓が生じやすいのは
a. 右上葉切除
b. 右中葉切除
c. 右下葉切除
d. 左上葉切除
e. 左下葉切除

 

●緊急時輸血可能なのはどれか
a. A型患者に対してO型赤血球
b. B型患者に対してO型新鮮凍結血漿
c. O型患者に対してB型血小板
(などの組み合わせが5択)

 

●ニトログリセリン
a. 耐性をもつ理由にアルデヒド脱水素酵素が関与する
b. NOの血管拡張機序にCaイオンが関与する
c. cAMPを介して作用する

 

●CAG画像が複数枚供覧されている
(どこが何番の冠動脈か問う設問)

 

●PV loopと心周期
①PVloopでどこの点が動脈圧波形のどの点と一緒か選べ
②心機能変化とPVloop変化
a. PVloopで前負荷が増えるとどこの点が上昇する、
b. 後負荷が増えるとどの点が左下方に移動する
c. 一回仕事量が増えると面積が増える

 

●人工心肺の管理
a. αスタット法ではPHスタットと比較すると脳血流は増加する
b. 人工心肺中に起こる心筋虚血によるのは冬眠心筋
c. 人工心肺時の急性腎障害にはドパミンが予後を改善する
d. 炎症性メディエータが関連する?

 

●先天性心疾患のある妊婦に関して
a. 周術期のリスク?は10%である
b. 経腟分娩は推奨されない
c. 抗凝固薬として低分子ヘパリンではなく、ワーファリンを使用する

 

●胃切除後の患者、腹部大動脈瘤の破裂でshock vitalである。Hb=5g/dLでRBCを6U投与
腹壁緊張所見あり 対応で誤っているのものは?
a. 患者入室後速やかに外科医が手洗いをする
b. 消毒を左側胸部まで行う
c. 鎮静・筋弛緩薬を投与して挿管して手術室搬送
d.
e.

 

*注意

①問題や選択肢は情報を得た際に適宜追加していきます。

②自身の記憶及び受験者様からの情報を基に可能な限り正確な復元を試みておりますが、記憶違いにより問題や選択肢の記述における正確性は必ずしも保証できません。内容が間違っていることは十分にあり得ることをご了承の上、自己責任でご利用下さい。