こんにちは!Dr ニーアです。

医者である私が現在行っている睡眠方法についてお話します。

前回の記事で睡眠を犠牲にして学習時間を確保することは間違いであることはお話ししました。

それではどうしたら良いのでしょうか?

私の失敗例からお話します。

私の失敗例

前の記事でお話した通り、私は医学部に入る前は4~5時間睡眠で学習する習慣から抜けきれませんでした。

大学に入ると、医学部の勉強及び大学でのクラブ活動に熱中し、やはり睡眠時間が5~6時間程度であったと思います。

今思い起こせば、日中の授業中も眠い時が多く、自身の睡眠リズムのせいであるのに、授業が退屈なせいだなどと自身の問題であることに気づいていませんでした。

その後医者になり研修病院として有名な病院に就職しました。

当然のことながら、睡眠時間は更に不規則になりました。

医者の研修制度についてはまた詳しくお話したいと思いますが、研修で所属する科によって忙しさが大きく変わります。

朝6時の採血から夜24時まで働き、時に当直で翌日朝まで働く。

食事は1日1食という日々を3か月継続した時は体重が3か月で4kg落ちてしまいました。

あの時に身体や心を壊さなかったのは奇跡的だと思いますが、振り返ると、いつもイライラしていたように思います。

皆様もご経験があると思いますが、自分が一番何も出来ないときは殊勝な心掛けで物事に取り組みますが、ある程度慣れてきて周りの方が自分より出来ないときに、

『何故できないの?』

『何故そんな変なことをするの?』

など、他人を責める気持ちが生まれることがあります。

勿論、それは個人の性格も関係するかもしれません。

しかし、忙しくない研修中に睡眠時間が確保できていた時は、周りに対して寛容な気持ちになれました。

これは要因に睡眠時間が少ないことが問題であったことと考えています。

その後、睡眠の重要性に気づき、睡眠の方法を変えると、仕事のミスも確かに減り、また、周囲から穏やかになった、丁寧になったと評価が上がりました。

睡眠時間は仕事の効率や集中力に加えて他人への寛容さにも繋がります。

また、健康にも大きく関わることは言うまでもありません。

さて、ここからは私が現在行っている睡眠方法についてお話します。

実際の睡眠方法

①睡眠時間確保
以前の記事を基に、睡眠時間は7時間を基準に、自身の睡眠時間を確保することが必須です。

間違いないことは、睡眠時間を『確保した方が良い』ではなく『確保しなければならない』のです。

自分の健康を守るため、義務だと考えてください。

繰り返しますが、睡眠時間を削って勉強しても、その勉強中は殆ど集中できません。また、記憶力も落ちますので、長い勉強時間の割に成果は乏しいのです。

②睡眠リズムを整える
睡眠時間を確保すると言っても、今までの生活が長く続いていればいる程、簡単には変わらない部分もあるかと思います。

私が医者として働くなかで色々な方と接しました。

コンビニエンスストアの店長で1日2時間しか寝られずに高血圧症と失神で搬送され、心臓に負担がかかりすぎていると診断された方。

アパレル関係の仕事で1日1時間睡眠が習慣化になってしまい、そんな生活を年単位で継続していて若くして脳出血を起こしてしまった方。

医者で昼夜問わず電話で呼ばれ、働きすぎて睡眠障害やうつ病を発症して医者を続けられなくなってしまった方。

期間限定で無理をしないといけない時間があることは理解しています。

しかし、普段の仕事で日ごろから慢性的に睡眠障害を起こしてしまう状況は宜しくありません。
いつか限界がきます。

リズムとして毎日寝る時間と起きる時間が固定できることが望ましいです。

眠リズムの整え方

私の仕事である医者は当直もあり、睡眠リズムは中々整えられない人も多いです。

また、他のお仕事の方も中々睡眠リズムを調整するのは難しいと思いますが、是正するポイントはいくつかあると考えています。

●少し時間をかけて是正する。

慢性的な睡眠不足となっている人は1週間以上の時間をかけて少しずつ睡眠時間を延ばすようにします。

今まで1時間睡眠の人がいきなり8時間睡眠して睡眠リズムを是正するのは中々難しいと思います。

●『早起き早寝』

『早寝早起き』が健康の秘訣といわれますが、じゃあ早く寝ようかと布団に入っても、もしもその日の午前はずっと寝ていたなら、まずその日の晩は寝られない状態であることが多いです。

それでも寝られる人は既に睡眠負債を抱えている人か、そもそも睡眠リズムに困っていないと思います。

よって、いつもより少し早めに起きることで、むしろ寝つきがよくなる『早起き早寝』がおススメです。

●適度に昼寝をする

昼の休憩時間に、少しでも昼寝をしましょう。

日本の文化に合わないと考えられる人が多いのですが、昼寝ができれば効果は劇的です。

午後からの活動が、まるで朝スッキリ目覚めた状態のように思考がクリアになり、仕事の効率が明らかに上がります。

昼寝なんて無理とお考えの方は、5~10分でも目を閉じて過ごしてみて下さい。

目から入る視覚情報により脳が疲れますので、視覚情報を短時間でも遮断することで、昼寝には及ばずとも、脳の機能は改善します。

また昼寝は私個人としては15~30分程度にしています。

日中に1時間以上昼寝をしてしまうと夜間の睡眠リズムが崩れる原因になります。

●週末の寝だめをしない

普段、週末に長時間寝ることを習慣にしている人がいれば、これも止めましょう。

そこにはいくつかの理由があります。

週末に長時間睡眠をしてしまうと、週末の時間が有効に使えません。

週末は自分のために使う時間になります。

平日の勉強不足を解消する時間で、より深い勉強ができる、もしくは、リフレッシュする時間に当てられますが、その時間が有意義に使えないことは後で余計にストレスになることがあります。

また、前回の記事でも少し触れましたが、土日に長時間寝ると、日曜の夜に寝付けなくなります。

月曜は定時に起きなければならないので、週初めを睡眠時間が短く、能率の悪い状態で迎えなければなりません。

これは次の一週間の学習効率を落とすことにつながります。

睡眠時間やリズムを調節することで、相対的に学習や記憶の効率が上がります。

自分の健康のためにも是非、睡眠時間の確保と毎日のリズムを整えるよう心掛けましょう。