こんにちは!Dr ニーアです。
本日は医学部の面接試験についてお話します。
医学部生の人や医者になった人はご存じかと思います。
また、医者を目指している人も自身の志望大学における入試要項を確認していただくと面接試験はほとんど全ての大学で行われていることがお分かりかと思います。
特に、推薦入学試験では面接(+小論文)のみとなる大学が殆どです。
では、なぜ医学部入学試験において面接が重要視されているのでしょうか?
大前提として、医者には人間性とコミュニケーション能力が必要と言われます。
ご自身、ご家族のいずれも病院にかかったことがないという方はほとんどいらっしゃらないと思います。
さて、病院にかかったときの医者の態度はいかがでしたか?
言葉やしぐさ、態度、表情において、色々気になったこともあったのではないでしょうか。
人間は初対面の相手を10秒以内に好きか好ましくないかのカテゴリーに分けてしまうとも言われます。
特に、ご自身、もしくはご家族が元気ではない時ほど、色々な事が気になるものです。
説明がいい加減。 面倒であることが態度に出る。 高圧的である。 などなど。
面接は、このような医者として不可欠なコミュニケーション能力や個々の態度を測る尺度として学力以外の要素を判定するために行われています。
面接の形式
実際の面接方法はいくつかの形式が用いられます。
①個別面接:受験生1人 対 面接官1人or複数人の形式
②集団面接:受験生複数人 対 面接官複数人の形式
③集団討論:受験生と受験生 (4~6人の事が多い)があるテーマに関して討論する形式
絶対的なものではないのですが、私の印象では、推薦入試やAO入試では②や③が多く、一般試験(前期試験や後期試験)での面接は①の形式が多いです。
なぜそんな傾向になるかを説明します。
推薦入試では、例えば、受験生30人から3人を選ぶという形になります。
よって、複数人の中で、自分をいかにアピールするかという事が重要になります。
判断されている項目として
・集団の中でどのように立ち回るか
・自分の意見をどのような形で披露するか
・相手の意見に対してどのように反応するか
などの、状況判断力と他者との協調性及びコミュニケーション能力が問われます。
受験者数が小人数の場合、全員の順位付けは比較的簡単です。
また、順位付けに有用なのは直接比較となりますので、このような形式が多いと思われます。
一方で、一般入試は特に医学部ともなると志望者数が5~20倍という莫大な人数となります。
そのため、全員を均一の基準で順位付けすることは難しくなります。
よって、個別面接により一人一人の考えや態度、場合によっては知識や倫理観などを深く観察することで、優・良・不良・不可などの大まかな点数が付いていると思われます。
(勿論、具体的な点数が付いていないとは言いませんが、均等に順位をつけるのは非常に困難です)
評価内容
医学部の面接はそれぞれの大学の教授陣が面接官としてそれぞれ分担して行っていることが多いです。
私は医学部に入学した後、どんな点を重要視しているのかをお伺いしたことがあります。
詳細は全くお話されません(当然ですが)でしたが、
評価する点として大きく分けて
「医者を目指す理由や覚悟」
「コミュニケーション能力」
「倫理観」
「人間性」
についての質問を行っているようでした。
ただし、特に一般入試において
面接により合否が大きく変わる人はほとんどいない
というニュアンスの事をお聞きしたことがあります。
勿論、全ての大学がどうであるかは不明です。
しかし、私個人としても、一般入試において面接が大きく合否を変える可能性は非常に少ないと考えます。
その理由は次にお話します。